管理職のカリスマ性は邪魔になる
2016/05/30
リーダーシップの誤解
新入社員が入ってくる時期に多いのが、
「明日から上司になるのが不安です。」
という相談ですが、
リーダーシップは特定のカリスマ性を持った人間だけが発揮できるというのは間違いである。
そして、リーダーシップは組織のトップや部門の責任者が持てばよいというのも誤解である。
なぜなら、リーダーシップは、他人を惹きつける魅力的な才能を持った人や経験だけで発揮できる能力だと断じるのは誤解であるから。
そう、他人に影響を与え、仲間を作り、派閥の親分として行動することはリーダーシップではない。
もし、リーダーシップが性格や先天的な適性で決まるのであれば、多くの企業は存在しない。
今、あなたはリーダーには向いていないと思っているかもしれない、
でも、あなたにも正しいリーダーシップ理論を知って、行動することでリーダーシップは発揮できるものなのです。
リーダーの姿勢としては
正面の理…上司の方針や指示、行動は理屈に合っているか、合理性があるか
側面の情…公式には理だが、非公式には、温情、優しさ、気配りがあるか
背面の怖…指示したことやルールを守らなかった場合の厳しさ、ケジメ、怖さがあるか
管理者に求められるリーダーシップ9の心得
- 問題解決を論理的に考え、根性論や資質論で考えない
- 「経験・勘・思いつき」で物事の判断をせず、論理的に物事を考える。
- 問題が発生した時点で、「何故起こったのか」「何が悪かったのか」「誰が悪かったのか」「未然に防止できなかったのは何故か」等、事実としての「何故(Why)」を徹底して検証する。
- いつも同じような原因で問題が発生する、再発防止が徹底されないのは、「すぐ解決策を実施し、その原因追究が十分でない場合が多い」、具体策と同時に、そのプロセスも考える。
- 部下への評価は事実と数値でする
- 管理者は「誰が言ったか、誰がしたか」ではなく、「何を言ったか、何をしたか」で判断する。
- 公平な評価とは、具体的事実と数値で判断することであり、人情や勘、思いつきで評価しない。
- 苦手な部下、毛嫌いしている部下、距離を置いている部下等、他の部下から見て、業務上で「嫌いな部下」が誰か分かるようではいけない(業務においては、好き嫌いを抑えるのが常道)
- 部下には答えを与えるのではなく、部下自身に答えを考えさせる
- 指示待ち族の部下を作ったのは、管理者であるあなたの責任である。
- 分からない点をいつも上司に答えを貰う習慣がついた部下は、自分で打開策や改善方法を考えないので、頭を使わない業務を行うようになる。
- 部下が聞いてきたら、即答せず、「君はどうしたら良いと思うか」「どうして、そうした方が良いと思ったのか」等、部下自らの意見とその理由を聴きだすことで、常に考える習慣が身に付く。
- 基本姿勢、価値観については、絶対妥協しない
- 理念、社会通念、コンプライアンスに反することを部下が提案しても妥協してはいけない。
- 「例え、非効率であっても、課題解決にならなくても、やってはならないこと」は常に伝える。
- 期限が迫っていても「手抜きで仕上げる」「その場しのぎ」の目の前だけの策は認めてはいけない。
- 目標を定義し、部下に「何故必要か」「何故やらねばならないのか」をちゃんと伝える
- 部下は職務権限で動くのではない。自分が行う業務の目的を知って初めて考えて動き出す。
- 部下が納得していない指示は、思うようには実行されない。
- 部下に毎回確認(表情や復唱等)し指示や動機づけを行えば、自発的に考えていくようになる。
- 目標やチャンレンジ項目をわかりやすく伝え、理解させ、実行させる
- 部門の方針や目標を単に説明するだけでなく、「何故、その方針、目標なのか」「その方針や目標への意義」を上から言われたから、ではなく、自分の言葉で分かりやすく説明する
- 多くのスタッフは新たなことやチャレンジ項目には消極的である。そのチャレンジが「何故、必要か」を明確に、スタッフに取ってのメリットも含め説明し理解を得る。
- リーダーシップの発揮には「率先垂範」は不可欠である。部下が嫌がる事、部門としてのチャレンジする事項、対人が絡む難しい業務処理等で及び腰、逃げ腰になると、リーダーとして信頼も尊敬もされない。部下は上司の背中をいつも見ている。
- 部下に思い切って仕事を任せる
- 管理者自身が「自分でなければ務まらない」と仕事の権限移譲をしないと、部下にはいつまでも成長のチャンスが来ない。
- 指示した仕事、移譲した責任業務について、定期報告させる仕組みや、管理者自らチェックし褒める。
- 「任せたから」「権限を移譲したから」「失敗したのは部下の責任だ」等の「任せっぱなしの無責任管理」では管理者の信頼はなくなる。
- 部下のヤル気や能力に依存せず、仕組みやシステムとしてルールを構築する
- 特定できる部下の能力や経験に依存した仕事をさせず、仕組みやルールづくりを重要視する。
- 仕組みとは、「やらざる得ない状況を創り出す事」「で誰でも分かる【見える化】された状態」「約束事や決め事を守らなかったら、恥をかき、謝ることをルール化する」「一度決めた事は上司と言えども、勝手に変更できない仕組みを作る」等
- 現地・現場、事実、数字に基づく判断をする
- 「事実に勝るものはない」いくら立派な合理的な見解や仮説を立てても事実とは異なることが多い。
- 事実をよく調査せずしての判断は、往々にして間違いやすい。「人の噂」はあてにならない。情報の裏を取る習慣をつける
- 「数字は良くないですが、頑張ってます。」この場合、数字が良くないことを優先して判断する。
上記の9つの心得を参考に、あなた自身の「リーダーとしての心得」を作ってみては如何でしょうか。