壁に飾られている理念
2016/03/17
目標を定義し、それを伝えられないリーダーが多い
リーダー育成の中で、まずリーダーに共通して必要なことがあります。
それは、
「目標を定義し、それを伝えること」
これは全てのリーダーがやらなければならないことです。
簡単なことだと思うかもしれませんが、それなら、何故、毎年ちゃんと目標を決めているにも関わらず、目標達成出来ないのでしょうか?
いや、正確に言えば、
そもそも部下は目標が何なのか知っているのか? 何故その目標なのか、その理由を知っているのか?
あなたは、目標の目的を部下に伝え、達成したい目標を設定して行動していますか?
そして、目標達成した結果、どう変わるのか伝えていますか?
それに、
一年の計は元旦にあり、年初に決めたあなたの今年の目標や計画を覚えていますか?
手帳に書いて計画的に見直しを行い実行しています。という方が何人いるでしょうか、ほとんどの方の場合、何を決めたかさえ忘れているのではないでしょうか、私もその一人ですが…
そう、人は、目標を忘れてしまいがちです。
だから、常に目標を伝えることがリーダーの仕事なのです。
そして、職員は法人の理念や目標達成のためのリードを心から必要としています。それは有能な人材を引き寄せる要素でもあります。
経営理念は観念的で無意味なもの
どの法人に行っても壁には、額縁で飾られた法人の経営理念が飾られていますので、よく管理職と面談するときに次の質問をします。
「あなたは経営理念を知っていますか?」
ほぼ全員が「はい」と答えます。
しかし、
「では、その経営理念を、あなたの言葉で構わないので教えてくれますか?」
と質問すると様々な返答が返ってきました。中には理念と現状が違いすぎるのか、黙り込む管理職さえいます。
あなたならどうですか、ちゃんと答えられたでしょうか?
本来、経営理念は職員の頭の中・心の中で生きていなければ意味がありません。
しかし、
ほとんどの職員には、真に従って行動するだけの心からの経営理念を持っていません。
そう、今働いている、この法人の存在理由を知らずに働いているということになります。
だとしたら、あなたは法人の為ではなく、ご利用者の為でもなく、地域の為でもない、何のためにここで働いているのでしょうか?
個人がそれぞれの思いで働いているのはいいのですが、法人の目的を知らずに働いているという中では、経営者が、いくらご利用者のため!地域社会のため!うちの法人をこうしたい、あーしたい!と言っても職員にはなかなか伝わらず、「うちの職員は何もわかっていない」と嘆くことになるしょう。
これは、とても悲しいことです。
だから、
まずは、その壁の高いところに飾っている経営理念を職員の目線まで下し、経営者自らがこの法人の存在理由をかみ砕いて職員へ伝える仕組みを作らなければならないのです。
そう、経営理念は組織を運営する中で、とても重要な成功の鍵となるツールなのです。
まずは、経営の根幹である「経営理念」をリーダーに理解してもらうために「何のためにこの法人で働いているのか?」
この問いについて経営者のみならず職員も交えて考えなければなりません。
そして、経営理念は職員の心の中に刻まれる必要があります。
そうすれば、各部署で掲げる多くの小さな目標が経営理念と同じ方向に向ける助けとなり、モチベーションを保つためのツールとなります。
この経営理念を理解することで、「どうしたらうちの法人をよくできるか」、「ご利用者が喜んでもらえるか」「改善すべき点は何か」と率先して行動することでしょう。
心を込めて業務を行うために必要なこと
今、実施している日々の業務についても経営理念同様のことが言えます。
職員さんに、この質問をして下さい。
「今行っている○○の業務は何のためにしているのか?」
介護施設の例ですが、食事介助をするにより、ご利用者は何を得られるのか、喜んでいいただけるために何を心掛けないといけないのか?
そもそも何故この業務をする必要があるのか?
単にマニュアルどおりすればいいのなら、その業務は機械化すればいいだけ、あなたでなければならない理由がある筈。
それは、その業務を通じて、ご利用者の心と心を通わせることで得られる何かがあるからではないでしょうか。
もし、リーダーであるあなたが心のある部下を育成したいのであれば、このようなツールを使うことにより飛躍的な成長を遂げることになるでしょう。