顧問先から適正顧問料を選択してもらう方法
2017/01/16
1.なぜ数字の基準点を作ると交渉が上手くいくのか
あなたは顧問料の提示をする時どのような提示方法をしていますか?
もし、顧問料の提示をした時に「高い」とか「値引きして」とか、
あなたが望む金額を得られないとしたら、毎回、見積書を出すのがイヤだとしら、
顧問先にペコペコ頭を下げてお願いしたくなければ、
この方法を一度試してみてください。
人は提示された一番最初に見た数字や情報をよく記憶しており、何かしらの意思決定を行う際、
最初に見た情報を基準点(アンカー)として重要視する傾向にあります。
これを「アンカリング効果」といい、顧客の購買行動に極めて大きな影響を与える要因のひとつなのです。
2.お買い得感を出す演出が税理士事務所の好感度を上げる
このアンカリング効果を応用し、顧問料の交渉時に
「この顧問料はお得だ」
「良い契約ができた」
と思わせるようにするための仕掛けを作ることもできます。
また、これは顧問先で値引きが増えていたり、高額商品が売れない場合など、
この方法を教えることで喜ばれることもあるのですが、、、
例えば、1個10,000円の商品があった場合、
通常、顧客は商品の機能や利用価値に注目し、価格に見合ったものか、
どうかを検討し購入するか否かを判断しています。
そこで「通常価格30,000円→特別価格10,000円」と表示することで、
先に提示した通常価格30,000円という情報が“基準点”となり、
10,000円という価格は「20,000円値引きされている」
と顧客に判断される事で、その商品の「お買い得」を感じられるのです。
この価格のアンカリング効果により、顧客は購買判断の際に、
機能や品質以上に価格や割引率といった数字に注目してしまうのです。
これが「衝動買い」などに大きな影響を及ぼしているのです。
3.高機能・高品質サービスを事務所の標準サービスとして売らない
車やスマートフォン、パソコンなど、商品の中には、Sクラスやグレードなど
といった同じ商品なのに品質などに差をつけ、販売しているのモノを見かけないでしょうか?
これは“妥協効果”という回避性と“アンカリング効果”を組み合わせた手法です。
妥協効果とは、極端な高低の価格帯を避け、無難な中間の価格帯を選びやすいという心理効果のことなのですが、、、
例えば、Aという商品が50,000円、Bという商品が30,000円だった場合。
当然、顧客の選択枝は双方に分散します。
しかし、そこに更に上のSという高品質・高価格の商品80,000円を用意することによって、
Sの商品が“基準点“になり、顧客にはAとBの商品への割安感が出るのです。
その際、顧客は低品質な安い商品を選んで「失敗したくない」という心理である”妥協効果“が働き、
一番安いBの商品が選択から除外されるのです。
結果、中間の価格帯であるAの商品が一番選ばれやすくなるのです。
このように高価格な商品を「ブラフ」として設定することで、
もともとは高価格である商品Aを無難な選択肢だと思わせることができるのです。
この手法は使用前の機能や品質判断が難しい商品等で店ごとに価格設定が違う商品やサービスで使え、
利益率の最も高くなる選択肢に集中させる為に活用されることがあるのです。
そう、税理事務所の仕事も、機能や品質の判断が難しいため値段設定が定まらないですよね。
高いのか、安いのかわからないから、高機能なシステムを使っていても、
高品質なサービスを提供しても、他社と比べれば、よくわかんないけど「高い」と言われるのです。
この方法を応用して顧問料を松竹梅で提示してみると違った反応を見れるかもしれませんね。