税理士を選ぶ時のポイント
2016/11/14
こんな税理士さんとお付き合いしていませんか?
私が税理士事務所に勤めていたということもあり、どこの税理士事務所を選んだらいいのか、と相談を受ける機会が多いのですが、
先日も、何となく紹介された税理士さんを、その先生のことを全く知らないのに安易に選んで失敗した。無知って怖いですね。
と税理士さんを変えたいという方が相談にきました。
あっ失敗したなぁと思った瞬間
・「納税額は00万円です。明日までに納めてください。」と聞かされ、納税資金集めに苦労した
・有名な事務所に依頼したのに新人担当者がきてコミュニケーションが取れず、会話が通じず困った
・専門用語ばかりで何を言っているのか、わからない
・毎回訪問時に「売上を00%上げないと赤字ですよ」ばかり言って具体的なアドバイスを何もしてくれない
・売上を上げる方法を聞くと、「それは社長の仕事ですから」と分析数値の説明もなにもない、相談さえ聞いてくれない
・来る度に保険ばかり勧めてくる
・何か質問をしても、その回答が次月の訪問時など、とにかくレスポンスが遅い
・毎月来てるけど、とにかくいつも忙しそうにしていて相談したくても伝票チェックをしたらさっさと帰る
・価格の内容が不明確で高い、契約書もない
・税務調査の時に立ち会いもしてもらえない、立ち合いしてもらったら別途立会料を後から請求された
・税務署よりの対応をされ、まったく味方になってくれなかった
等々、、、
失敗したと思う前に絶対確認しておくべき11のポイント
1.税理士の外見を確認する
①少なくとも外見や立ち居振る舞いは気を使っているか
②上から目線で話をしていないか
③あなたとの年齢があまりにも離れてはいないか
あと、とても大事なのが先生が担当するのであれば上記で判断できるのですが、あなたの担当者が誰なのか?
実際には、その事務所の職員さんが担当する場合が多いのですが、契約が決まってから担当者を決めると、いい職員さんは既にある程度の担当件数を抱えているので新人が来たりします。最初で顔合わせをし確認しておく必要があります。
2.サービス業として『顧客目線の認識』を持っている
①顧客目線の税理士は少ないことを、まず理解しましょう。だから簡単に決めてはならないのです。
②この業界、真面目な方が多いです。それはいいのですが、ただ、真面目すぎても単なる堅物にしか…
ちゃんと相互のコミュニケーションが図れるか確認しましょう。
③できるだけ多くの税理士と面談してください。
無料相談等を実施している事務所は多いです。そういった相談会を活用し雰囲気を掴むことは大事です。
長く付き合う上で「顧客目線」を持った税理士とそうではない税理士とでは、その違いは驚くほど大きいです。
遅かれ早かれ、最初に述べたような失敗したと思うような不満が必ず出てきますので、面倒くさくても出来るだけ多くの税理士と会って下さい。
3.会計をわかりやすく教えてくれる
①初期指導は集中して月2,3回来てくれるなど、その指導方法について確認しましょう。
②専門用語だけでなく、分かりやすい言葉で教えてくれるか、可能ならば契約前にセミナー等を受講して確認しましょう。
③毎月の訪問時に伝票チェックだけでなく、経営者面談や財務分析に関する指導体制について確認しましょう。
後でも述べますが、記帳代行を主としている税理士もいます。契約の内容をしっかり確認しないと、あなたの望む指導が受けられないことがあります。
4.あなたの業種の知識や経験がある
①自分の業種での経験があるか確認しましょう
②業種にあった節税対策を実施したことがあるか確認すれば、その知識がわかります。
③コスト削減について同業種他社の事例等を知っているか確認しましょう
何でもできるという事務所は、実は何もできない事務所です。業種に対する知識や経験により指導の内容に大きな差がでます。
あなたの業種に対し、どのくらいの経験や知識があるのか聞いてみましょう。
5.価格の明瞭な対応が出来る
①料金はピンキリだということを認識しましょう。
②毎月訪問するのか、決算時に何日くらいくるのか確認しましょう。(年訪問14日前後くらいが望ましい)
③年末調整や確定申告等のオプションの金額をちゃんと提示しているか確認しましょう。
以前は料金表を持たず、儲かってそうな顧客には高い請求をするという税理士は非常に多かったのですが、今でも料金表も持ってない税理士は信用しないでください。税理士と顧問契約を結ぶ前に、明瞭な料金表と何のサービスをどのくらいやってくれるのか、はっきりとした説明を求めましょう。
6.決算対策をしっかりしてくれる
①少なくとも決算月2か月前には決算予測を提示できるか
②節税対策やリスクマネジメントについてアドバイスできるか確認しておきましょう
③決算に関しては、いつどのような打ち合わせを経て決算書の作成がされるかはしっかりと聞いておきましょう。
申告月になって決算対策をしようとしても節税や納税資金の準備は間に合いません。
安いところでは年1回、申告月だけきて、勝手に決算書を作成する税理士がいますので注意しましょう。
7.レスポンスが早い
税理士に対する不満として多いものの一つが「レスポンスが遅い」ということがあります。
何か質問を投げても、「調べておきます。」と何日経っても返事が返ってこないことが頻繁に起こるようでは困ります。
担当件数が多い場合もあれば、基本的なサービス業としての認識が低い場合もあります。中には職員教育が全く出来ていない場合もあります。いずれにせよレスポンスが早いかどうかで見極めることが重要です。
8.資金調達に強い
①特に創業支援の融資については、事務所で定期的に相談会等を実施しているか確認をしましょう。
②事業計画書等の事例やサンプルを見せてもらいましょう。
③銀行等とどの程度の関係づくりをしているか確認しましょう。
経営革新アドバイザーという認証制度があり、殆どの税理士がこの認証を持っているが、実際に経営改善計画書を作成、実施したことのある税理士は少ないです。実績がどの程度あるか確認しましょう。
9.キャッシュフローについて指導できる
①現金を最大限多く残すためにどうすればいいか指導できるか確認ましょう
②システムはキャッシュフロー計算ができるものか確認しましょう。
③資金繰り表を作成してくれるか確認しましょう。
会社を運営する上で、最も重要なのはキャッシュフローです。永続的に繁栄するためにも、この部分の分析と的確なアドバイスを決算の時だけでなく、常にしてくれる税理士に会えれば、安心できます。
10.夢を語り合える
数字だけの経営計画書はどの税理士もできるでしょう。
しかし、
ビジョンや方針、年度ごとの行動計画など、経営戦略や戦術まで一緒に考えてくれる税理士は少ないです。
社長のビジョンや方向性を確認し、理解した上で作成された経営計画書等は実効性が高いものとなります。
一緒に夢を語れるそんな税理士は本気で社長の会社のことを考えてくれます。
11.記帳代行をする税理士は選ばない
もし、儲かりたいのであれば記帳代行の税理士は選ばないでください。
コストを安く押さえようと低価格な記帳代行会社に依頼することにより、社長は自分の会社の本来の姿が見えなくなります。
日々の財務内容を把握し早期に問題点を発見すれば、即対応もできます。
毎月、経営会議を実施してくれる税理士もいるなかで、書類だけ預かり、記帳代行するような税理士は社長の会社のことを考えてくれません。
記帳代行はただの作業としか思っていないのです。
以上、
最後に今までこのような経験はないのですが、社員を雇う時も数か月の試用期間があります。
税理士も最初の数か月は仮契約、または1年間契約で、試用期間を設けてもいいのかと感じます。
そして、何よりダメな時は即解約する勇気も、自分のためだけでなく、その税理士のためにも大事だと思います。